« 2012年8月 | トップページ | 2012年12月 »

2012年11月の5件の記事

2012年11月29日 (木)

深海ザメの歯

夏に行った東京海底谷調査(釣査?)で揚がった「ヘラツノザメ」と思しき深海ザメの口です。

Imgp0760
異様で不気味な印象はありますが、歯が目立たないのでサメらしい怖さはありませんね。

33
拡大してみると確かに形はサメの歯。
でも細かい!

魚の歯はその魚の食性を如実に表します。
ホオジロザメやピラニアのように獲物を切り裂き、噛み切って食べるもの。

クロダイやコロソマのように固い貝や木の実を砕いて食べるもの。
雷魚やアリゲーターガーのように捕らえた獲物を決して離さなず確実に食べるもの。
アユやプレコのように岩にこびりついた藻類を剥ぎ取って食べるもの・・・。
それぞれの食生活に合わせた歯を持っているのです。

47                ちなみにこれが全体像。

で、それを踏まえたうえでこのサメの歯を見てみると何が言えるでしょうか。

まずこの貧弱な歯で獲物を切り裂くことは不可能。
海底から引き上げられ衰弱していたせいもあるでしょうが顎の力も弱かった。

暴れる獲物に突き立てて動きを封じることも難しそう。咀嚼にも向いていない感じ。

・・・ということは、このサメは餌をそんなにしっかり噛まずにほとんど丸飲みにするタイプなのではと考えられます。
歯は「滑り止め」程度の機能しかないのでしょう。

そういえば深海性のサメにはこういう細かい歯をもったものが少なくありません。
ミツクリザメ(ゴブリンシャーク)のような例外もいますが。

深海釣りに通じた人から「深海魚はたいてい餌をかじらず丸飲みにする」と聞いたことがあります。

食べ物の少ない深海では生きている物でも死んでいる物でも、食べられそうなものは選り好みせず、その場で貪欲に飲み込む。
そんな習性が身につきやすいのかもしれませんね。

次回はこの話の続きをアナゴくんを引き合いに出して進めます。

2012年11月25日 (日)

苔むすキセルガイとかわいいアオミオカタニシ

殻一面に苔の生えた陸貝(キセルガイの一種か)を沖縄北部、やんばるの森で見つけました。

P1030248
カメの甲羅に藻が生えるというのはたまに聞くけれど、陸貝でも同じことがあるんだなーとびっくり。
ナマケモノの体毛にも生えるっていうし、じっとしている時間が長い生物はこういうことになりやすいんでしょうか。

このキセルガイは殻の長さが2センチ以上とこの手の陸貝にしてはかなり大きかった。
おまけにこの苔むしっぷりなので、実はかなり長寿なのではないかと感じた。

ちなみに沖縄にはこの他にデフォルトで緑色の陸貝がいます。
Dsc04246
アオミオカタニシ(青身陸田螺)という貝で、こちらは苔が生えているわけではなく名前の通り殻の中身が青く、それが透けているそう。

なお、殻の色にばかり目が行きがちだけど、この貝の真のチャームポイントはその顔!

Dsc04231普通のカタツムリなどと違い眼が触角の根元に付いているのでマンガチックですごくかわいい!

これはタニシ類の特徴。本種は「オカタニシ」というように陸に上がったタニシの一種なのです。他のカタツムリなんかとはちょっと系統が違います。
一口に陸貝といってもそのルーツは色々なんですね。

僕はこの貝が大好きで、自分の仕事用の名刺にもイラストを載せているほど。
軟体動物の中では一番好きかも。

…あれー。キセルガイの話をしていたのにいつの間にかアオミオカタニシがメインになってしまったー。

2012年11月23日 (金)

マイファーストシャーク

最近は日々サメ狩りを極めんと精進しておりますが、

初めてサメをこの手で捕まえた(釣った)のはつい2年前、2010年秋のこと。
浦内川に侵入してくる「川ザメ」ことオオメジロザメを釣るべく遠征した西表島。
しかし川の調子も悪く、サメの生態把握も甘く惨敗。
(二年後に沖縄本島、しかも国際通りのど真ん中で釣り上げると言う快挙でリベンジすることになるのでかえって良かったのかもしれないが…)

悔しいので地元の釣り人に「海でもいいからサメが釣れるところを知らないか」と聞き出したポイントで釣り上げたのがこのサメ。
Dsc04287
小さいながらもサメらしいルックスで感動したな~。

知人のサメの研究者に同定してもらったところ「カマストガリザメ」という種の子どもだという。

昼間に川で釣った10センチくらいのコトヒキをワイヤー仕掛けに背掛けにして深夜の堤防を泳がせること数時間…。
待つのに飽きて足下の小魚を釣って遊んでいると竿がガタガタ動き出して…!
最初の突っ走りはすごかったなあ。一瞬でばてたけど(笑)。
ちなみにこの後、彼は標本になり、某大学に所蔵されました。

こうして始まったサメ釣りの記録。
とりあえず今はまだサイズうんぬんを気にするより種数を伸ばすことが課題かな?
生で見てみたいサメはいっぱいいるし。

いずれはミツクリザメやオンデンザメもこの手に抱きたいなあ。

Tori ~鳥の餌~

サンパウロの大型スーパーにて発見。

Dsc03602…向こうの人にはエキゾチックで魅力的な響きに感じるんですかね。



何にせよ潔くていいと思います。

日本最大のクモ

日本で一番大きなクモは?との問いへの模範的な回答は3通りある。

まず分布も広く一番よく知られているのが「アシダカグモ」
ゴキブリを食べてくれる代わりにゴキブリより威圧感のあるアイツである。
しかし、このアシダカグモは19世紀に日本へ入り込んだと思しき外来種なのだ。
「日本一」の称号を与えるのは少々ためらわれるかもしれない。

続いては南西諸島に生息する「オオハシリグモ」
これは分布の狭さと人目につきにくい生息地からややマイナーな扱いを受ける巨大グモ。
しかしそのサイズはアシダカくんを凌ぐほど。
体重や足を広げた直径?ではこの2種が頂上を争うのかな。

そして3つ目の回答である僕が一番好きな「日本最大のクモ」がこちら。
P1030610「オオジョロウグモ」
こちらも南西諸島に生息するクモである。
先述の2種とまず大きく異なるのがその生態。このクモは網を張るのだ。
金色の糸で紡がれた人の背丈ほどの巨大な網は圧巻。
海沿いなど開けた場所に多いので人目にもつきやすい。
次回沖縄を訪れたら木の枠にこのクモの網を張り、蝶を捕まえたり小魚を掬ってみようと思っている。
(実際に網に触ってみるとそれぐらい余裕だろうと思えるほど丈夫。小鳥が捕まることすらあるそうだ。)

このクモが日本最大と言われる所以は体の長さ。
大きなメスではなんと5センチにも及ぶ。(クモは基本的にメスの方が大きい。)
この点ではアシダカグモやオオハシリグモに大差をつけていると思われる。
その代わり(?)脚は細く貧弱。ここは徘徊性のクモじゃないからしゃーない。
僕はむしろこの脚がアイアイの指のように禍々しくてかっこいいと思っている。

この辺が日本最大のクモってことでたいていの人は納得すると思う。
でも僕は八重山に生息するジョウゴグモの一種が体重部門を制覇できるほど巨大化するのではと睨んでいる。
裏の王者みたいな。

あいつは国産タランチュラを名乗っても恥ずかしくないんじゃないかなー。
写真が無いのが残念!

« 2012年8月 | トップページ | 2012年12月 »