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2012年11月29日 (木)

深海ザメの歯

夏に行った東京海底谷調査(釣査?)で揚がった「ヘラツノザメ」と思しき深海ザメの口です。

Imgp0760
異様で不気味な印象はありますが、歯が目立たないのでサメらしい怖さはありませんね。

33
拡大してみると確かに形はサメの歯。
でも細かい!

魚の歯はその魚の食性を如実に表します。
ホオジロザメやピラニアのように獲物を切り裂き、噛み切って食べるもの。

クロダイやコロソマのように固い貝や木の実を砕いて食べるもの。
雷魚やアリゲーターガーのように捕らえた獲物を決して離さなず確実に食べるもの。
アユやプレコのように岩にこびりついた藻類を剥ぎ取って食べるもの・・・。
それぞれの食生活に合わせた歯を持っているのです。

47                ちなみにこれが全体像。

で、それを踏まえたうえでこのサメの歯を見てみると何が言えるでしょうか。

まずこの貧弱な歯で獲物を切り裂くことは不可能。
海底から引き上げられ衰弱していたせいもあるでしょうが顎の力も弱かった。

暴れる獲物に突き立てて動きを封じることも難しそう。咀嚼にも向いていない感じ。

・・・ということは、このサメは餌をそんなにしっかり噛まずにほとんど丸飲みにするタイプなのではと考えられます。
歯は「滑り止め」程度の機能しかないのでしょう。

そういえば深海性のサメにはこういう細かい歯をもったものが少なくありません。
ミツクリザメ(ゴブリンシャーク)のような例外もいますが。

深海釣りに通じた人から「深海魚はたいてい餌をかじらず丸飲みにする」と聞いたことがあります。

食べ物の少ない深海では生きている物でも死んでいる物でも、食べられそうなものは選り好みせず、その場で貪欲に飲み込む。
そんな習性が身につきやすいのかもしれませんね。

次回はこの話の続きをアナゴくんを引き合いに出して進めます。

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コメント

魚の歯って不思議ですよね。
ヒラメの歯は一見シャープに見えないけど、油断するとスパッと指を切るぐらいの切れ味だったり、キジハタの歯は下あごの真ん中へんに2本ぐらいだけ長い歯があったり興味が尽きません。
あと、イトヒキハゼにかまれると、あんな口にもちゃんと歯が生えてるんだ!ってちょっと感心したりします。

まったくです。
魚の口の中って、水族館でも台所でもなかなか意識して観察しませんが、実はとても面白い部分ですよね。

大抵は食性に即した歯を持っているので、歯を見ればその魚が水の中でどんな暮らしをしているか分かるのが興味深いです。

その辺をしっかり見てる人って漁師さん以外だと釣り人くらいでしょうか。

一度大きなトラフグの歯を間近で見てみたいです。

深海鮫、サメっぽくなくてきもかわいいですね!
意外と目もつぶらw

確かに顔つきも体つきもサメらしくありませんね。
目は写真だと分かりづらいんですが、月みたいに光っていてとても綺麗ですよ。

また生きている姿を見に行きたいです。

たびたびお邪魔します、デイリーポータルZの記事拝見しました。
とても興味深く、面白かったです。

タチウオの大きい歯の独特な形状、鋭い切れ味の秘密はそこにあるのかも…とか、
噛みつき型の魚はみんな人間で言う門歯の部分が大きいのに、サワラはむしろそこが小さいのは何故なんでしょう?そんなことを考えるのが楽しいです。

次回の掲載にも期待しておりますので、頑張ってください。

>raohjpさん

門歯の大きさはメインのエサとなる小魚やイカのサイズが関係しているのかもしれませんね。

次回の掲載・・・
まだネタが浮かばないですが頑張ります!

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