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2013年8月20日 (火)

「尻から油」の深海魚 アブラソコムツ&バラムツを食べる

「食べると尻から油が漏れる」ことで知られるバラムツ。
そしてなぜかその陰に隠れがちになってしまうが同様の症状をもたらすアブラソコムツ。


それだけでもかなりイヤだが、食べすぎると下痢や皮脂漏症などの健康被害ももたらすので食品衛生法により流通は禁止されている。

ちなみに沖縄や大東島では両種をいっしょくたにして「インガンダルマ」と呼ぶ。
これは「犬が(食べるとお腹を壊して)ダレる魚」という意味だそうだ。

こんな魚なので、両種とも食べるには自分で釣り船を出してもらって釣るしかない。


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バラムツ。シルエットは普通の魚だが、黄色く輝く目やバラの棘のような鱗などルックスも魅力的。

そんな魚、わざわざ苦労して食べることないじゃないかと言われるかもしれないが、そうもいかないのだ。だって美味しいから。
昨年から機会に恵まれ、何度も食べているがいっこうに飽きない。
あと、見た目もかっこいいし釣っても楽しいという魅力もある。


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かなりビジュアルの良い魚だと思うのだが、あまり同意は得られない。

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解体に使うまな板はベンチ!

調理法は煮ても焼いても美味いが、個人的にはやっぱり刺身が一番好きだ。

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刺身、塩焼き、煮魚、丼…。どれも美味い。(左上の塩焼きもバラムツ。これほど小さいものは珍しい)ちなみに、これだけ食べると翌日は垂れ流しになるので外出できない。

ただし、この魚はかなりはっきりと好き嫌いが分かれる。
大トロに負けないほど脂が乗っていて、食感はブリのよう。なので、お好きな方にはたまらないが、そういうしつこい肉質が苦手な人はなかなか受け付けない。

そういう人は生食より加熱して脂を落とした方が食べやすいだろう。が、そうまでして体に悪い魚を食べることもないと思う。


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こっちはアブラソコムツ。見た目は「マグロのゾンビ」といった感じ。

バラムツは駿河湾で一年中釣れるが、アブラソコムツは大量に回ってくる夏~秋に限られる。
バラムツよりも胴周りの太いマグロ型の魚体で、見た目通り遊泳力が非常に強い。釣竿に掛かると上の写真程度のサイズでもちょっとした船上筋トレを強いられることになる。


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一緒に乗船した「魚解体マニア」の友人夫妻に捌いてもらった。菜切り包丁で。

肉質はバラムツによく似て脂肪で白濁している。見た目はほぼ同じ。
味は刺身で食べ比べると若干異なり、好みが分かれる。
ただし、具体的にどう違うのかと問われても説明できない。その程度の差。


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アブラソコムツのムニエル。

アブラソコムツやバラムツでムニエルを作る時は、フライパンに油をひかなくても身からドバドバ脂肪が溶けだして勝手に揚げ焼きになってしまう。なので頻繁に余計な油を捨てる作業が必要だ。

ちなみにどんなに焼いてもどんなに脂を絞ってもやたらジューシーで美味い。
上の写真を撮った日は刺身と一緒に山ほど食べたので、その晩に伊豆高原でハリネズミを探している最中に堤防が決壊して悲惨な目に遭った。
パンツを買いにコンビニまで40分くらい歩いたか…。



バラムツとアブラソコムツ、さらに油で揚げたらどうなる!?
さて、ムニエルですらジューシー&オイリーな両種を衣で包んで揚げるとどうなるのか。
気になっていたので昨冬に試してみた。


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フライと唐揚げ。どちらも上側がバラムツで下がアブラソコムツ。もう見た目も味も変わらないけど。

熱いうちにかぶりつくと、大量の肉汁がジュワァッ!!とあふれてくる。美味い!
…と思ったのもつかの間、口内にねっとりと絡みつくその「肉汁」がほぼ油脂であることに気付く。


Imgp1706

いくらなんでもしつこすぎる。マグロカツの内部に注射器でサラダ油を注入したようだ。
しかも食べながらにして尋常でなく胃がもたれる。
決して不味くはないのだが、たったこれだけの量を食べるのも一苦労だった。

結論:アブラソコムツやバラムツを揚げるのはあまりお勧めしません。

※釣り方や調理の詳細を知りたい方は2012年に書いたデイリーポータルZの記事 からどうぞ。

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コメント

あいかわらず好奇心(と食欲)を満たす為には体を張るのを厭いませんね。すばらしい!
そのうちフグの糠漬けとか自作しはじめるんじゃないかとワクワk、じゃなくてハラハラしてます。
くれぐれも健康には気をつけてよい狩猟・採取ライフを!

PS. (・∀・)ヤツメちゃんマダー?

metaborious P.I.Gさん

すばらしいですか?くだらないの間違いじゃなくて(笑)?

これでも試食の際は健康に最大限の注意を払いながら臨んでいるので大丈夫(いまのところ…)です!
それよりも撮影・採集中に野外で事故に遭うことを自分では心配しています。

ヤツメちゃんはある怪情報を掴みかけているので、いずれ実行しますよ!お楽しみに!

管理人様こんにちは。実は愚生は、昨夜のTVのバラェティ番組を観まして、沖縄県出身の「海パン芸人」(激爆)の方が所謂「バラムツ」の刺身を試食されていました。体の油脂成分が蝋燭と殆ど一緒なら、油脂を採取して蝋燭を作られるのではないか、と思います。(大爆) 又料理をするなら、切った野菜類(モヤシ・長葱・玉葱・大蒜など)其れこそ胡麻油、オリーブオイル無しでも炒められるのではないかと思う次第で~す。(核爆)

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