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2014年3月11日 (火)

大漁!深海魚ミズウオ拾い

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今年は綺麗な個体を拾えたよ!

去年の冬に駿河湾の浜辺でミズウオを拾って食べる記事 をデイリーポータルZに書いた。


ミズウオはバショウカジキのような背鰭と鋭く長い牙を持つ格好いい魚で、実はファンも多い。

また、ミズウオといえば正真正銘の深海魚でありながら、岸辺でゲットできることで知られている。

去年は体表が乾き始め、チャームポイントの背鰭が痛んだ個体しか拾えなかったので、一年越しのリベンジに臨んだのだ。

しかも前回は一人きりでのチャレンジだったが、今回は全国各地の奇特な友人らと7人で出動。
これはもう勝ったも同然だろう。

一年ぶりにあの浜に降り立つ。


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富士山も拝める風光明媚なスポットなのだが、

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夜は景色を楽しめない。というかそもそも波打ち際しか見ない。

二手に分かれて探索を始めること10分足らず。
僕の隣を歩いていたIさん(大阪から参加!)が足を止め、「なんか、イカツいのがいる・・・」とつぶやいた。


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殺風景な夜の浜辺に圧倒的な存在感

一同「うおおおおおお!ミズウオいたああああ!!」

決着つくの早すぎ(笑)!
そういえばIさんは沖縄でも同じようなシチュエーションで溺れてるおじいさんを発見して人命救助していたな。

こういう作業の才能があるんだろう。


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しかも新鮮!

別動隊も招集して記念撮影大会。

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大きい!かっこいい!

そしてミズウオと言えばやっぱり外せないあのイベント。
胃内容物チェック。


その名の通り身が異常なほど水っぽく柔らかいミズウオの腹を割くのにナイフはいらない。
指を肛門に突っ込んで頭に向かって引くだけで内臓があらわになる。


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マダラの卵巣みたいな黒くて大きな胃袋がパンパンに膨らんでいる。
しかし、うっすい胃だな。

期待を込めて指で抓りあげると簡単に破れる胃。
こんな貧弱な身体で大丈夫なのかこの魚…。

呆れつつ胃を根元から絞ると…

デュルルン!!!!

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一同「うわああああああああああ!!」

アナゴ、サバフグ、そして極めつけは特大のショウサイフグ(大きすぎてトラフグかと思った)!!
しかも全部丸飲み。

ショウサイフグに至ってはどうして飲み込めたのか不思議なくらい。
それにこのフグは有毒。
そんなの食ったら打ち上げられなくてもいずれ死ぬだろ。何やってんだ。
まあ普段暮らしてる深海では見たことない魚だろうから、知らなくてもしょうがないか。

やたら食腕の長い深海性っぽいイカも半消化で出てきたが、それ以外はすべて浅場の魚。
こいつ、岸辺に打ち上げられかけても構わず餌採ってやがるな…。


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体腔には条虫っぽい寄生虫がいた。うねうね蠢いていて素敵。
味は苦かったな。
ミズウオ本体の方がまだ食える。

その後も探索を続けるといるわいるわ。
計4尾発見!


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二個体目はかわいいサイズ。もちろんこいつの腹も割く。

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面白い生物は入っていなかったが、ビニール片などのゴミが出てきた。

ミズウオは海中で目についたものを手当たり次第に餌とみなして飲み込む習性があり、
海洋汚染の度合いを測る指標になるほどなのだとか。

残念な気持ちになる。


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三個体目は日没前に揚がったのか、鳥に突かれたらしくボロボロ。

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しかもなんか飛び出してる!


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自身の体長の7~8割もある大きなタチウオ!
打ち上げられてのたうってる時に胃と体腔を突き破ったらしい。

やっぱり肉質弱すぎ!

そして驚いたのが、ルアーまで飲んでいたこと。
タチウオが咥えていたものを一緒に飲んだというわけでもなさそうだ。

駿河湾ではたまに釣り人がキャッチすると聞いていたが、どうやら本当らしいな。
水深数メートル以内で餌を摂っていることが確定した。


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そして4個体目。
こいつは一番新鮮で、腹を割くとまだ内臓が動いていた。


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腹の中にはカタクチイワシが1尾のみ。
深海魚食べてるやつがいたら最高だったんだけどな。

そんなこんなで大満足のうちにミズウオ拾いは終了。

いやー、楽しかった。
また来年も寒さに震えながら同じ浜を歩いている気がするな。


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ちなみに、ミズウオは食べられないこともないが、水っぽすぎて焼いても揚げても刺身にしても不味い。

どうしても食べたいなら煮込んで水分を飛ばし、身を引き締めるとそれなりのモノになる。


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身が縮んで骨が露出するから不気味だけどね。

そしてミズウオと言えば最近気になっているのがミズウオヒレギレイカ の存在。
何でも食べるミズウオの胃の中からしか発見されていないという珍しいイカ。

こういう話を聞くと、ミズウオは
鵜飼の鵜よろしく深海生物キャッチャーとして優秀なんだなあと思ってしまう。

また来シーズンも腹を割かねば…。

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コメント

はじめまして。いつもDPZやテレビでご活躍を拝見しております。

昨年に続いてまたもミズウオを拾われたのですね。最近リュウグウノツカイやダイオウイカが打ち上げられるニュースが多いですが、偶然ではなく狙いすまして見つけられるというのは素晴らしいです。
私も来年、平坂さんの記事を参考に挑戦してみようと思います。

これからもがんばってください。楽しみにしています。

はじめまして。トカゲ釣りの記事以来のファンです。
私も昔清水に住んでいてうわさは聞いていましたが、こんなにたくさん見つかるものとは・・・。
それと、またテレビ番組にご出演なさるのですね。関西の知人に録画を頼みます。
楽しみにしております。

岳さん

はじめまして!ありがとうございます。
ミズウオは浅場に積極的に上がる、遊泳力が弱い、個体数が多いなど本種特有の要因と、駿河湾の地形的要因などがいくつも合わさって、これほど簡単に拾えるのではないかと思います。

きっと楽しいと思いますが、現場の浜は礫も多く歩きづらい上にひどく寒いです!
どうかお気をつけて!

Shakeさん

はじめまして!トカゲ釣り…懐かしいです。

そうですね~。
わざわざ冬の夜に浜辺を徘徊するなんてがほとんどいませんからね。
そのせいで知名度が低いんでしょう(笑)。

TV、そこまでしてチェックしていただけるとは!嬉しいような恥ずかしいようなという気分です…。ありがとうございます。

初めまして。駿河湾近辺でボート釣りをしている者です。ミズウオについて調べていてたどり着きました。
こちらの記事、友人と爆笑しながら拝読いたしました。
ところで、このミズウオ、本日釣り上げる事に成功しました。場所は戸田の沖水深30mでした。タイラバを巻いていたら軽くなったと思ったら背ビレを出して水面を優雅に泳いでいるヤツを見つけ、その後自分のルアーにかかっていることに気づきました。最初はカジキが釣れたと勘違いしましたが、抵抗はほとんどせず自らボートに向かって泳いできてくれました。取り込みの際はクルクルとローリングしていました。
胃の中は見ずにリリースしました

山田丸さん

はじめまして。
生きたミズウオを釣られるとは羨ましいです!

やはり駿河湾は釣り人にはたまらない海ですね。

そしてこのミズウオ、山田丸さんのケースのようにタイラバでの釣果報告が妙に多い気がします。
目につきやすい派手なスカートが目を引くことと、ジギングよりはスローなのでミズウオでも食いやすいなどが要因でしょうか?

しかし、
>抵抗はほとんどせず自らボートに向かって泳いできてくれました。
やっぱりファイトはおとなしめなようですね(笑)。見た目に似合わず。

また面白い魚が釣れたら報告お願いします!
楽しみにしています。

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