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2014年9月22日 (月)

狩猟免許の取り方

2月にも一度報告しましたが、およそ一年前に狩猟免許を取得しました。

狩猟免許なんて普通の人には馴染みのないモノですが、興味のある方も多いはず。

最近はメディアによく取り上げられていますからね。
漫画の「山賊ダイアリー」も人気ですし。

受験の申し込みから免許の取得までの流れを、近いうちにしっかりとまとめて公開しようと考えており、現在PC内の資料と脳内の記憶をほじくり返しています。

ここではそれらの整理も兼ねて、ざっくりと過程を紹介してみます。

申請書と申請料、診断書を用意

まずは自治体のホームページから「狩猟免許申請書」をダウンロードします。
諸々の項目を記入したら、申請手数料(受験料)を添えて窓口へ郵送するのですが、

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狩猟免許には銃猟、わな猟、網猟の三種目がありますが、一種目に付き5,200円がかかります(ただし、既に受験するもの以外の種目の狩猟免許を保有している場合は3,900円とお手頃に。リピーター割引か)。

長崎県在住の僕の場合は、県の収入証紙での支払いを指定されていましたので、それに従いました。
おそらくどこの都道府県でもこの辺りは一緒なんでしょうね。

僕はわな猟と銃猟一種(空気銃だけでなく散弾銃なども扱える免許。二種は空気銃のみしか扱えない。用途によっては後者でも十分対応可能。らしい。)の計二種目を受験したので、この時点で18,000円かかっています。

「一種目たった5,000円で狩猟免許を獲れるのか!安い!」と思われる方もいらっしゃるでしょうが、まだもう少し出費は重なります。

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申請書には、精神科医が心身の健康を証明する診断書を添えなければなりません。

そのために地域の精神科を探して診断を受けるのですが、ぶっちゃけ「あんた大丈夫?問題ない?」「はい。大丈夫です。健康です。」というやりとりをちゃちゃっと済ませるだけです。

時間が余りまくったので、先生とサメやアイゴの話で盛り上がったりしました。
こんなんでいいのか…と思ってしまいますが、こんなんでいいんでしょう。

そしてここで診察料として僕の場合は5,000円を支払うことに。
正直、あれだけで5,000円!?と思いましたが、サメトーークが楽しかったのでよしとします。


講習会にはケチらず行くべし

申請書と診断書を役所の窓口へ郵送したら、あとは受験票が送られてくれば試験を受ける最低限の条件は整います。

が、そのまま独学で勉強して試験に臨んでも結果は期待できません。
特に僕のように狩猟免許試験初挑戦の素人は、たとえテキストを購入して完璧に復習したとしても、ほぼ確実に落ちます。

なぜなら、狩猟免許試験には学科試験の他に実技試験があるから。

銃の構え方や分解・組立方法なんて知らないでしょ?
グループを組んで猟に出るときのフォーメーションとか銃の受け渡しとか知らないでしょ?
僕は知らんかったよ。

でも大丈夫。
そういう実技をベテラン猟師の方々に教えてもらえる講習会があるんです。

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だいたい、地方の市民会館的なところが講習会場兼試験会場

「狩猟免許試験予備講習会(だったかな?)」という名の講習会で、試験と同じ会場で開催されることも多いようです。

ちなみに、参加希望者は事前に申し込んでおかなくてはなりません(電話受付だったか申込書を送付するのだったか…)。

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教室に入ると、そこには本物の罠や

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偽物の銃が! 

わなの種類と設営
この講習会の目玉というか最大のメリットは、何と言っても試験で使用されるのと同じ猟具を実際に触って練習できること。
しかも、講師の方々が手とり足とり教えてくれます。

というか、実際に指導してもらいながら実物を触っとかないとぶっつけ本番なんて無理です…。

まずは罠の種類と設営を教えてもらいます。
罠にはたくさんの種類があって、その中には使用が禁じられているものも少なくありません。試験では各種罠の使用可否を識別する問題も出題されます。

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くくりわな。イノシシとかシカの脚を縛り上げる。細かい規定はあるが、国内の狩猟においてはもっともポピュラーな罠のひとつ
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箱わな。こちらもよく使用されるタイプの罠。写真はイタチなどを捕るための小型のものだが、イノシシを捕る場合は大きな檻のような箱罠を用いる。ぶっちぎりで設営が簡単なので、妙なチャレンジングスピリットが無ければ設営の実技試験ではこれを選ぼう。

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とらばさみ。わりと最近になって禁止猟具に指定されたのだとか。

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筒型イタチ捕獲機。文字通りイタチ類専用トラップ。中に仕込まれた餌を食べにきたイタチが紐の輪に首を突っ込むと、輪が引き絞られて身動きが取れなくなる仕組み。左側、ワッシャーで必要以上に首が締まらないよう調整されている方は使用可能。右側のストッパーレスのものは禁止猟具。

いずれの罠も設営方法を一通り教えてもらえますが、講師の方々は「悪いこと言わんから実技試験では箱わな選んどけ!」を連呼。

わな猟の設営実技試験ではいくつかの罠から各受験者が好きなものを選んでよいので、ほぼ確実に選択肢へラインナップされている上に、設営が簡単でミスが少ない箱わな以外をあえて選ぶ理由が無いのだそうです。


銃に慣れている人ほど落ちる!?
続いて銃の講習を受けます。
さきほどもチラッと触れましたが、銃猟免許には一種と二種とがあり、前者では空気銃と装薬銃(主に散弾銃。条件を満たすとライフルも扱えるようになる)を両方とも使用できるのに対し、後者では空気銃しか扱うことができません。

空気銃はその名の通り火薬を使わず、圧縮空気で弾を撃ち出します。
手軽で弾も安価なようですが、やはり威力と飛距離の面に少々難があるようです。
また、ポンピングで空気を充填するタイプは発射までに時間がかかってしまうのだとか。

でもそのポンピング作業も「弾に力を込めてる」実感があってけっこう楽しかったけどな~。
※講習会では実際に空気銃へ弾を込めることはありません。


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ポンプ式の空気銃。弾はすごく小さく軽い。

散弾銃は各サイズの散弾(小さな粒状の弾をまとめて撃ちだすえげつない弾丸)を撃つほかにも、一発高威力狙いのスラッグ弾や、殺傷力の低いゴム弾など、さまざまな種類の弾丸に対応できる銃。

散弾は命中率が高く、スラッグ弾はイノシシやシカにも効果的であるなど、応用範囲が広いので散弾銃はもっとも多くの猟師に愛用されている銃だろうという話も…。
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講習会や試験で使用する散弾銃はいずれも銃口を塞いである模擬銃。もちろん実包(弾)もフェイク。

続いて、銃の分解・組み立てなどの基本操作と、一連の射撃動作を教わります。
「実技試験では特に制限時間などは設けられていないので、じっくり焦らず、覚えたことを確実にやればいい。」と講師の方に言われ、かなり気が楽になりました。

というか講師の方がみなさん優しい。すごく親切。たぶん、新人を指導できるが嬉しいのかなと思います。
特に若い受験者には熱心に教えてくださいます。
(ちなみにこの日、20~30代の受験希望者は僕も含めて3人でした。)


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散弾銃の分解・組み立ては時間をかけてもいいから慎重に、確実に。

銃の実技試験でとにかく気をつけなければならないのが「引鉄に指をかけない」こと。
これを一回でもやってしまうと大幅減点で、一気に合格が遠のきます。
このルールがなかなか曲者で、僕のように銃とまったく縁のなかった人間はまだいいのですが、モデルガンやサバイバルゲームを趣味にしている人はついついやらかしてしまうようです。
「指は引鉄にかけておくもの」と体が覚え込んでしまっているのでしょうか。
「銃をいじり慣れとるやつほど、毎年引鉄触って落ちよる」という講師さんの言葉が印象的でした。


そして、もうひとつ難しいのが団体行動。
グループを組んで山へ猟に出る場合の動き方を覚えます。


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三人一組で教室内をフィールドに見立てて行動するのですが、銃の受け渡しや腰の下ろし方などにも細かい決まりがあり、なかなか気が抜けません。
猟具の扱い以上にぶっつけ本番ではどうにもならない項目でしょう。
ここでも引鉄に指をかけないよう注意!
鳥獣判別は楽しい
講習会場ではテキストと問題集も配布され、筆記試験の対策もしてくれます。
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講習会での配布物。左から問題集、狩猟読本(テキスト)、模擬試験用紙

筆記試験問題の内容については省きますが、狩猟についての大小のルールに関するものがほとんどです。
真面目に問題集さえ説いておけば特に怖いものではありません。
選択問題だけだし。

さて、言い忘れていましたが、もうひとつ実技とも筆記ともつかないタイプの試験があるのでした。
それは「鳥獣判別」。獣や鳥の絵を見て、それが狩猟鳥獣(獲ってもいい種類)か非狩猟鳥獣(獲っちゃいかんやつ)かを見極める試験。

絵に描かれているのが狩猟鳥獣なら「○○です。獲ってよし。」と種名と捕獲の可否を答え、非狩猟鳥獣なら「獲ってはいけません」と答えます(この場合は種名を言う必要なし)。


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こういうイラストを見て判別する。

中には結構紛らわしいものも混じっています。
各種のカモとかニホンリスとタイワンリスとか…。

でも一番厄介なのがこちら。


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この二種類の獣が何かわかりますか?
実はどちらもイタチなんですが、なんと雌(上写真)は非狩猟鳥獣で雄(下)は狩猟鳥獣なのです。
こういうのをテキストに載っているだけ全部覚えていきます。
でも、動物好きにはこれが結構楽しいんですよ。
ハマれば一~二時間で暗記できるんじゃないでしょうか?

このような講習を二日間に渡って受けていきます。
ちなみに、ここでも受講料10,000円(テキスト代含む)を支払います。
チクチクチクチク財布の中身削ってくるなぁ…。
でも、この10,000円をケチると受かるものも受かりません!惜しまないように。

いよいよ試験本番!
さて、講習会を終えて二カ月ほど経つと、自宅へ受験票が送られてきます。

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僕は二種目受験するので二枚。

あとはもう筆記試験対策として問題集を解き、実技試験のイメージトレーニングをしながら試験当日を待つだけ。

当日が来たら、リラックスして覚えたことを吐き出すだけ。


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筆記試験の会場。筆記試験開始前に試験全体の流れが説明される。

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「猟具審査」会場では銃の扱い、団体行動、わなの識別、設営などの実技試験を行う

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鳥獣判別は試験室内で試験官と一対一で対峙する。

他にも体力測定などの試験(審査?)があるのですが、ちょっと長文書いて疲れたのでいったん終了します。
また後日いろいろと追記しますので少々お待ちを。
ごめんなさい~。


Photo
そして自宅に合格証(免状)が届きましたとさ。おしまい。

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コメント

お久しぶりです。と言っても過去1回コメントさせてもらっただけですが、、、
バラムツとジュゴンの話でした。

自分も昨年第1種銃猟免許と銃所持許可を取りました!
銃を持つまで、色々手続きの度にお金がかかったりするの、もっと負担が軽くなるよう制度を変えてもらえないかなぁ。と思うものの、やはりそう簡単に銃を持つ許可は与えちゃいけない、と考えると難しいのでしょうね。

山賊ダイアリー読んで興味あったもののマンガからは理解しにくかった
試験の雰囲気がすごくよく伝わりました!

棘くじらさん
お久しぶりです!覚えておりますよ〜。

おめでとうございます!
僕は免許までで止めていますが、銃の所持許可までいくと手続きがさぞ面倒だったろうと思います。

その煩雑さこそ銃を持つ責任の重さの現れなのでしょうね。

うるすらさん

およそ山賊ダイアリーでの描写や、web上における先人達のレポートと同様でしたが、細かい部分が異なっていました。
これは試験内容が完全には統一されておらず、年度や地域ごとに微妙な差異、個性が出てしまうためのようです。

同一県内でも、地区によって予備講習の指導内容が多少違うこともありました。
講習会場と受験会場の地域は同じにした方が有利だなとも思いましたねー。

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