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2015年4月の4件の記事

2015年4月27日 (月)

軍隊虫 ~これ何? 質問と回答その7~

当ブログで募集し続けている正体不明の生物写真ですが、寄せられる投稿を見ているとやはり昆虫の割合が多いようです。

昆虫はとびきり種数が多く、図鑑やネットで調べようにもどこから手を着ければいいのか分からないのかもしれません。

…昆虫といえばもう数か月前のことになりますが、こんな面白い投稿が。

※ちょっとグロいよ!
こちらが投稿者さんが散歩中に遭遇した謎の物体。

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一見すると大きなイモムシのようですが…。

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なんと、つつくと散り散りに!

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実は小さな虫の集合体だったんですね。
この虫の正体は「キノコバエ類」の幼虫。
列をなして移動する様子が兵隊の行進を思わせることから英語圏では「armyworm」とよばれることもあるようです(ただし、ヨトウガ類の幼虫にも同じくarmywormと呼ばれるものがあるようです。実際、googleで画像検索を掛けるとそちらばかりがヒットします)。

ちなみに、キノコバエの成虫はハエというより蚊のような外見です。

なんにせよ、虫嫌いの人には単体でもキツいのに群れた姿とそれが離散する瞬間は相当ショッキングでしょう。
投稿者さんにもクるものがあったようで、メールには
思い出すだけでもすごく気持ち悪い
名前がわからないと気持ち悪さが取れないような気がします
と綴られています…。
正体が分かったことでトラウマが消えたことを祈ります。
僕はまだ見たことがないので、個人的には結構うらやましいんですがね…。

2015年4月19日 (日)

三次元の覇者、の名を冠す二次元の主 ツバクロエイ

2月某日、前々から獲りたかった魚をついに獲った。
わけのわからないタイミングで。
夏秋の魚だと思い込んでいたのに、よりによって2月て。

その魚というのはこれ。ツバクロエイ。




スポーツカイトみたいなシルエットが非常〜にイカす。

ところで、「ツバクロ」とはツバメを指す古語である。
普通のエイはトランプのマークで言えばスペードを想起させるシルエットであるが、ツバクロエイはむしろ横倒しにしたダイヤに近い。体長より体幅の方が大きいのだ。
この常軌を逸したシルエットが翼を広げたツバメを想起させるということだろう。




また、魚体の薄さにも驚かされる。それこそ凧並み。もう完全に砂底に張り付くか、砂上を滑り泳ぐことだけに特化しているよう。
立体的な動きを捨て、ひたすら二次元的な生活を選んだ結果の魚体。

海底という「面」がこの魚にとっては世界のほぼすべてなのだ。

頭上の餌に飛びつくこともあまりないであろうから、上層はそれこそ彼らにとっては「異次元」に近いのかも。
この辺がコチやヒラメやカスザメとはちょっと違う
(もちろん、頭上から襲いかかる外敵や、いい感じに上方を流れ漂う餌もあるだろうから、完全に意識の外にあるということは無いだろうが)

そう考えると、名前の元になったツバメはこの世で最も立体的な機動に長けた生物であるので、この珍魚はまったくの対極にある存在と言えるかもしれない。





余談
こちらもツバメの名を持つナンヨウツバメウオの幼魚。

シルエットはツバクロエイに近い。90度回転するが。
ちなみに、こちらは波間を漂う枯葉に擬態しているため、水面に依存した生活スタイル。こういう偶然も面白い。

2015年4月14日 (火)

今年もオニダルマオコゼ捕獲(ただしスーパーベビーサイズ)

今回の沖縄探訪は風にやられた!

うりずんってやつか。
住んでる頃は季節による風の吹き方なんて大して気にしてなかったな。

夜のイザリに行こうにも、水面が揺れまくりで何も見えない。キリアナゴすら探せない。

それでも一晩だけ強行トライ。
本命オニダルマオコゼは諦めて水深数センチ程度の浅場でヒラムシなどの小物を撮影していると、妙な小石を発見。

藻類が薄く生えて褐色がかっているイノーの窪みにはまり込んだやけに白い小石。

しかもシルエットが左右対称。
これは!これぞ!

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ダルだ!

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オニダルマオコゼだ!

たまたま視線を落とした先に居てくれたから見つけられたが、これは運が良かったとしか…。

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面構えから体つきまで、まるっきり成魚のミニチュア。

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とりあえず捕まえようと試みるが、この時持っていたタモ(よりによって鮎玉)では枠が厚すぎて追い込めない。
魚の体高より厚いし…。

というわけで、指でつまんで捕獲(小さくとも、背鰭の毒針は危険なので真似しないでくださいね)。

オニダルマオコゼの動かなさには毎度驚く。
此の期に及んでも石のフリをしてるつもりなんだろうが…。

手に乗せてみると可愛すぎて飼いたくなるほど。


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ここまで小さいと、いくら美味しいオニダルマでもさすがに食べようとは思えない。

いつまでも手に乗せているとこちらの体温でダメージを与えてしまうので一旦タモに入れて再度撮影。

たぶん、ここまで小さな個体にはもうそうそう出会えないはず。
たぶん幼魚の個体数自体は少なくないんだろうけど、単純に人の目では見つけられない。運があまりに強く絡みすぎる。

せっかくの機会なので穴が開きそうなほど観察させていただきました。
ごちそうさま!
…食べてないけどね。

2015年4月 1日 (水)

今年初スッポン

3月30日、あまりにも原稿が進まないので気分転換に小川へ。

カワアナゴでも出ていないかと水面を照らすと、今年初の対面となるスッポンが。

何かを採るつもりで出たわけではないので、服装は長ズボンにダウンジャケット、網や手袋は当然無し。

じゃあまたの機会に…となるほど僕は大人ではないので、ズボンを捲って素手で捕獲。



昨年より10日早い対面。
寒い日々、いつもこの日を待ち望んでいたぜ。

有難や春の恵み。
泥抜きをして、妊娠中の友人に食べてもらう予定です。

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